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PCR検査をなぜ受けるのか?

[2020.12.21]

PCR検査をなぜ受けるのかについて、問診で聴くことも有る。

本当の理由を話す人もいれば、建前の人もいるだろう。症状しかり。無症状、濃厚接触なし。あくまで自己申告です。

一つ言えることは、在宅患者様を150名程診察してきたが一人もコロナ陽性患者が出ていない。理由は、通院困難→実質的な引きこもりであるからだと考えている。在宅患者様の御家族や介護者は、高い意識で感染対策をしていたに違いない。私も訪問診療で情報提供したり、アラートを出したり、ゴーグルや、手袋、N95マスクを勧めたりした。在宅療養とて、何らかの訪問サービスや通所サービスを利用している人がほとんど。皆、高い意識と実践でここまでやってきた結果であろう。

PCR検査を受ける意味は二つある。

一つは、自分の為。 二つ目は、他人の為。

発熱したり、濃厚接触したりした場合は自分が感染している恐れがあるので検査を受ける。感染していたら、公費で隔離、療養生活や治療を受けられる。恥ずかしいことは何もないが、いざ当事者となると動揺すること間違いなし。リスクが高い高齢者や持病をお持ちの方は緊張感や不安が強くなると思います。陽性となった場合、いきなり一定期間入院、隔離となるわけです。その準備や心構えをしてから検査を受けてほしいものです。迷うなら検査は延期して自宅療養で経過観察してください。あわてて自費検査を受けるのではなく、良く考えること。濃厚接触の場合でも、潜伏期間が最長7日ぐらいあるそうです。(にわかには信じられないがそういうこともあるようです。)つまり、慌ててPCR検査をしても潜伏期間中は陰性になります。つまりPCR検査をすり抜けてしまう。PCR検査で陰性だった濃厚接触者がPCRの再検査で陽性となる事例がありました。一度目のPCR検査は潜伏期間中だった可能性が有ります。あせってPCR検査を受けて一度陰性判定が出ても、その後実は無症状や軽症の陽性者だったということも十分あり得るということです。類似する事例は多く報告されています。かと言ってPCRを短期間に何度も受けるのは現実的ではありません。コストもかかる。

PCR検査で陽性の場合は、一歩も外に出ることなく保健所のお迎えが来るまで自宅待機になると思ってください。買い物もダメです。

WEB問診前にまずホテル療養や入院の準備です。もし感染していた場合、当院のPCRでは発症から14日経過していてもほぼ100%検出できています。1日、2日検査が遅れても陽性であれば間違いなく陽性と出ます。症状が軽い方は急ぐ必要は無いのです。(自分の為には)

 

一方、私たち医療者や介護・福祉事業者が無症状でも定期的にPCR検査を健康診査として受けています。それは自分の治療の為ではない。他人の為です。私たちは9月から毎月一回、12月からは月2回定期的にPCR検査を実施することにしました。まだ、陽性者は出ておりません。定期的にPCR検査を必要とする、必要とされている職業、企業の方向けに特別なプランも用意しております。医療関係の事業所が申し込みがあります。まだ、事例はわずかですが春までは定期的に検査する必要があると私は考えます。一人一人の意識や、会社の運営方針などが大きな要因になります。

PCR検査で陽性判定するのは、とても残酷な感じもします。知らない間に重症化することを防ぐには、厳しい判断になりますがウイルスの存在を認めたほうが良い。知らないで急変するより、現行制度の中で少しでも良い環境で療養する方が良いと思っています。不測の事態に備えることがまず大事です。ブログを書くというより、半分自分に言い聞かせています。

WEB問診を入力する前に、このブログをできれば読んで、何のために検査を受けるのか考えてみてください。

ちなみに、あい小児科PCRセンターで未成年の陽性者は1人も出ていません。今後は出るかもしれませんけど。

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