PCR検査は怖くない(と思う)
私たちは、PCR検査を毎月行ってきました。今月から、月二回検査する予定です。唾液検査なら、全く痛くもかゆくもありません。鼻咽頭スワブ検査は、病気の治療に関わるので痛いけどがんばって検査する必要があります。子どもたちも、熱が下がった後保育園や幼稚園、学校に行くためには鼻咽頭スワブ検査にて陰性を確認する必要が今後出てくると思います。子どもたちは、しばしば発熱します。勿論、コロナでない可能性の方が高い。ハッキリ言ってインフルエンザの場合は、発熱と咳でだいたい見当が付きます。しかし、コロナの症状は多様なので意外に解りません。大人であれば、味覚、臭覚の微妙な変化を訴えられるので多少わかることも有りますがはっきり言って診察では正直解りません。薬に反応が弱い、経過が長いことで初めてコロナを疑ったりします。検体採取(診察)からPCRまで一人の医師がやることで気が付くことも多少あります。
発熱で外来受診したお子さまでもPCR検査を希望しないこともあります。もし陽性となった場合にどうなることかと考えると心配で検査ができなくなるのでしょう。しかし、家に帰って家族が感染して息苦しさを訴えたりしたらもっと怖いことになる気がします。多分無症状、軽症で済む人も多いと言われています。大事なのは、家族や友人に新型コロナウイルスを感染させないことなのではないかと思っています。ただやはり、御家族様としてはできれば知りたくないという方もいらっしゃるでしょう。私は科学者なので、解るものであれば調べて白黒付ける方がスッキリします。
一度PCR検査で陽性が出た方のPCRを数回実施して100%陽性が出たことは以前ブログに書きました。2週間ぐらいでは必ずPCR陽性になりました。4週間ぐらい経過するとほぼほぼコロナのRNAが無いに等しい状況まで下がるようですが、微妙に出ます。Ct値という値で判定することになります。実測の測定値のグラフを見ていると、これは明らかにRNAがありそうだという状況があります。いわゆる偽陽性という状況です。判定不能、偽陽性、再検査という結果が稀に出ることがあります。PCR検査は信頼性が高いのですが、感度が良いので偽陽性がどうしても出ます。検査と臨床症状を合わせて考える必要があることもあります。無論本来、抗体検査も同時にやればもっと良くわかるようになりますが、現状健康保険での抗体検査は認められておりません。
少し痛いですが、採血して血液検査で抗体を測ってみれば感染したかどうかは解ります。抗体検査は質の問題があり、専門の医療機関で研究として実施されているだけで一般向けではありません。当院のキットも、偽陽性が多く評価が難しいことが解ってきました。現在は抗体検査は実施しておりません。
感染が拡大している現在は、PCR検査で一人でも多くの感染者を同定して隔離することが重要です。今クラスター発生を一つ一つ潰してゆくことが大事になります。それが年末の感染者を減らすことに大きく影響することでしょう。医療機関も、保健所も全力で取り組んでおります。あい小児科のPCRセンターも夜中12時まで再検査等で稼働していることも増えました。次の日朝から発熱外来です。これが毎日続きます。感染者の療養先であるホテルや病院の方々も大変だと思います。私たちもかなり大変になってきました。
感染症は解らないから怖いのであって、PCRで見つけてしまった方が心配事が減ります。陰性が確定すると、ほっとします。解らない方が不安だと思うのは私だけでしょうか、、、、。PCRで陰性を確認した方が怖くないハズ、、、、。