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PCR検査にも、利点、欠点がある

[2021.03.29]

新型コロナウイルス感染症では、その診断に関してPCR検査が実施される。

PCR検査は、疑ったらまず実施することが大事。疑いの状態から、確定に至るまでの重要な診断ツールです。

疑いの状態から、新型コロナウイルス感染症ではないと診断することは可能です。ただ、ウイルス量が少ない潜伏期間中などは検出できないこともある。つまり、無症状の方や接触したとしても早期に検査をすると陰性判定となり、検査をすり抜ける。新型コロナウイルスの特徴は、平均潜伏期間が5日を超えることである。風邪やインフルエンザは、2日程度。つまり、接触して暴露してから数日後に発症する。暴露してすぐ検査をしても検出できない。この特徴が家族内感染を調べることを難しくしている。潜伏期間が14日以上であった報告も散見される。

10日間の隔離期間、自宅療養期間が設けられているのは、潜伏期間が長い為です。お父さんが感染して、子どもが暴露したとしても症状に出る、PCR検査で陽性が出るまで数日かかります。つまり、感染しているか検査をしても解らない。

逆に、ひとたび感染すると長い間PCR検査が陽性となります。当院の鼻咽頭スワブ検査では、4週では100%、8週でも検出されることがしばしばあります。従って当院では、陽性者の再検査、特に復職前検査は全例お断りしております。今まで全て陽性と判定して結局復職できないという結果でした。退院基準にもPCR検査陰性は必要なくなっております。

陽性となった方の再検査の場合、発熱した場合など再感染なのか、ウイルス保持者なのかどうか非常に難しい。ウイルス量を定量的に評価することで判断していますが再検査は非常に評価が難しいと感じています。ウイルス量が少ないのに、症状が強い場合などは別の病気も考えなくてはならないことになります。そういった場合の治療は、個人医院ではなく、感染症の指定医療機関が担当する方が望ましい。あい小児科では、診断後全例草加保健所に報告しております。

仕事や学校の事を考えると、一日も早く復職したいという問い合わせを受けます。国で決めた隔離期間、自宅療養期間というは科学的根拠を元に設定されています。つまり、個人の都合が入り込む余地はありません。疑ったら、隔離して拡散防止。これが現在の法律です。守らなければ、感染が拡大してロックダウンとなり社会全体が麻痺します。誰もが避けたい状況になります。

残念ながら、ウイルスは人間の都合など考えてはくれません。

しかし、ウイルスも絶滅しないように宿主である人を全滅(全員死亡)させるほど強力な毒性を持つ訳ではなく、多くの人は感染後に抗体を得てウイルスを克服します。感染せずに克服するために予防接種(ワクチン)が今まさに始まろうとしています。草加市はまだ医療関係者の接種が始まっておりません。ワクチンは、無いとどんなに計画をしても実施できません。高齢者の接種はGW明けにずれ込むと予想されています。一般の方となると更に1ヶ月遅れる。こうなってくると、今年のインフルエンザワクチン接種時期と重なる方が多くなることが容易に予想されます。

当面は、感染防止対策、感染の早期発見と隔離を続けることが必要です。

あい小児科は、コツコツPCR検査を実施して早期診断に努めます。

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