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保育園のクラスター対策は、徹底した検査がカギとなる。

[2022.01.27]

嘱託業務は、前院長である理事長の私が継続して全て担当している。八潮の院長に就任し、八潮の二つの小学校を担当することになり、草加の学校医は3月までで終了する。

今、感染のスポットは、保育園、幼稚園だ。まさにホットスポット化してしまった。

クリスマス、正月、成人式で活動的な10代後半から20代の若者がオミクロン株を各地に持ち帰り、2週間ほどで家庭内感染から未就学児を中心とする子どもの感染者が増えた。ワクチン未接種の子どもたち、とくに幼稚園、保育園がクラスター化したことにより子育てママ・パパへの感染が確実に広まっている。子どものコロナの特徴は、続報にて報告した通り。症状が軽いので、親は気が付かずに通園、保育を継続して兄、姉、親の順番で感染している。

大きな問題の一つが、ワクチン未接種の子育てママ・パパだ。

ワクチン未接種は、若者に多い。確かに未接種で新規にコロナウイルスに感染したとしても症状が軽い人はいる。しかし、全身倦怠感や関節痛、腰痛でまともに歩けない子育てママを数人診察した。あい小児科で私は、子育てママ・パパへの優先接種を行い150名の方々にコロナワクチンを草加市の予約以外で追加接種した。そこまでやったが、未接種の親が大勢いることに少し驚いた。ワクチン接種済みの親は、概ね軽症で自分の心配より、家族の仕事の心配をしているぐらいだ。仕事も大事だ。

予防接種は誰のためにやるのか、家族のためと思うなら倒れることが許されないと思うのであれば迷わずコロナワクチンを接種すると思うのは私だけでしょうか?コロナワクチンの予約枠は11月からがら空きだったので、予約が取れないという言い訳は通用しない。

私が嘱託医をしている幼稚園、保育園などでもクラスターが発生して対応している。ブログへの記載が多いのは、今まさにPCR検査をやりながら嘱託医としてのコンサルや検査を実施している中で皆様に知ってもらいたいという気持ちから文章化している。

未就学児の施設は、市町村の学務課が担当らしいが感染のことは素人だ。かといって保健所が現地に入り指導してくれるほど感染状況は甘くない。園で判断してくださいと言われ、幼稚園の先生方は泣いている。やれることは、正しい検査による正しい診断(発見)と隔離、スタッフの確保(感染制御と体調管理)だ。その2点に絞って対応している。

症状があれば、あい小児科、まるクリニックを優先的に受診させ、検査、隔離あるいは登園。スタッフに対しては、全員検査を必要な頻度で実施。幼稚園も小学校も検査ができないから、対応策が無く休園、休校する。私たち医療機関ができるのは、治療より検査だ。役割分担を明確にして、幼稚園や保育園の管理者や健康担当の看護師などが迷わないように助言する形で後方支援している。時には、マスクや手袋などの衛生資材を適宜提供し、検査は可能な限りたくさん検査する。

クラスター化した二つの幼稚園と保育園には集中的に職員検査を実施した。休園を最小限に止めるためには検査と隔離を徹底すること。学務課から開園の催促があろうが、無かろうが、科学的根拠(陽性、陰性の判断)をもって対策をすれば早めに収束できる。クラスター対応に長ける幼稚園や保育園など無いだろう。皆初めての経験だ。私は約8000人分のPCR検査を一人でやってきた。検査には自信があるので正確な、科学的根拠を提供できる。分子生物学の手法が役に立つとは思わなかったが、ネズミの遺伝子を調べることと(私は遺伝子組み換えネズミを作って実験していた)、コロナを検出する作業自体は全く変わらないので大学院時代にもどったようだと錯覚することもある。今はお金をもらって検査をしているのでプロです。大学院時代とはまた違ったプレッシャーがある。

幸い子どもたちは皆元気に回復している。子どものコロナは、悲観的に考えず完全しても家族の時間が増えて嬉しいと思ったら方が良い。私は家に帰れない日が続くが、お役に立てるならそれほど苦にはならない。嘱託先の保育園や幼稚園が普段通りに年に2回の健診だけで良いという状態に早く戻ってほしいと心から願っている。クラスター対策として、PCR測定を今日も夜中までやることになりそうだ、、、、

 

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