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【続報】BA.5系統の特徴(オミクロン株)

[2022.07.04]

正直、6月は感染が収束していたと感じていた。

しかし、最終週にソフトバンクホークスのクラスターが公表されたころから風向きが変わった。草加でもコロナが増えだした。そして7月4日 検査数48人、陽性22人。陽性率が5割に近いということは、蔓延しつつあると言える。あい小児科PCRセンターは延べ、12000人以上検査して3000人以上陽性判定をした。通算の陽性率は27%だが、6月は10%未満の週が多かった。いきなり陽性率4割となり、驚いた。6月の最終週から明らかに違う株が入ってきたと感じている。BA.5系統だという根拠はないが、誰がどう見てもBA.5 系統だったと後からわかるだろう。オミクロン株の始まりの時も、臨床的にはデルタとの違いでこれは今までと違うとはっきり認識していた。最初は、保健所から陽性検体の提出を求められ提供したが、数日で依頼すらなくなったことは鮮明に記憶している。正月クラスター、成人式クラスターで、オミクロン株の名前は一気に広まっていったことも皆さんよく覚えていると思う。

どこよりも早く、BA.5の臨床的特徴を述べる。

1,感染力が、とても強い。

2,ワクチンは、無効。3回目接種後の感染者も多い。免疫を回避する。

3,重症化は稀、症状もこれまでの株より弱い。

4,子どもから大人までまんべんなく感染する。

5,ウイルス数は多く、抗原定性検査でも容易に診断ができる。

6,最も頻度が高い症状は発熱、胃腸炎症状は少ない。

7,早く回復する。

 

6月までの感染者は、予防接種していない一定のコミュニティで感染がくすぶっていたと推察していた。3回目接種を終えた人の陽性者は記憶にないぐらい少ない。7月に入ってからは、3回目接種後でも容易に感染しているように見受けられる。特に家族内、全員感染というパターンが多い。これまでは潜伏期間により、陽性化する時期がずれることがしばしばあった。7月に入ってからは、来院した家族の多くが既に陽性者である。つまり、ウイルスは、予防接種や過去の感染による免疫を容易にすり抜けて一気に感染する。年齢、性別関係なし。それが一つの特徴だ。

3回目接種から1カ月程度でも感染している事例があった。私たち医療者の様に3回目接種後半年経過していたならばワクチンの効果が下がったと考えるが、一般の人は3回目接種後1~3ヶ月程度だろう。2回目までの方も、3回目接種者も、特に差は無い様な印象を受ける。2回目まで接種していれば、重症化しないのだろうと推察している。肺炎を疑うような所見が見られたことも今のところない。春先までのオミクロン株よりも、さらに症状が弱いという印象を持っているので、処方期間を少し短くしている。

家族全員感染、濃厚接触者の多くが感染というパターンが多いことも特徴。

感染が落ち着いた5月から6月は、発熱者の中のコロナ患者数が少なかった。PCR検査でも微量だけ検出される昔の感染、つまり偽陽性も多かった。しかし、7月に入ってからは抗原検査でほぼほぼ診断が付くぐらい診断しやすい。つまり、ウイルスは一気に増殖しているので、鼻粘膜に多くのウイルスが存在するので検出しやすいのだろう。

小児科なので、子どもの依頼が多い。しかし、熱は出ているが比較的元気な陽性者が多い。下痢も少ないが、嘔吐はたまにある。しかし、家族内全員感染のケースを見ていると、子どもたちは既に回復期という御家族も多い。両親は予防接種を済ませている場合がほとんどなので、喉の痛みや咳、頭痛などに対する薬の希望は多い。困って困ってどうしようという切迫感はまるでない。抗原検査でも発熱してから3日後ぐらいには、陽性のラインが薄くなっていることもしばしば見受けられる。これは定量的に判断するものではないのかもしれないが、キットを何千回もやっているとPCRの定量的な結果を抗原定性検査でもある程度予測できる。納得できる検査結果が続いている。6月までと大きな違いだ。6月は偽陽性も多かった。偽陽性とは、発熱したのはコロナ以外が原因で、以前の感染によりPCRでわずかに検出された事例である。

7月以降のコロナは、コロナと診断ついた方がむしろ早く回復する。コロナでない発熱の方が、長引く印象もあるぐらいだ。重症化については、ワクチン未接種の大人やリスクの高い高齢者や持病を持つ方は小児科にすくないので判断できない。

 

今流行りだしたBA.5系統と予想されるオミクロン株は、感染力が強い発熱するカゼであるが重症化しない、インフルエンザなどに比べても症状は軽いので心配しない方が良い。

この程度の風邪で、プロ野球が中止になるのかと思うほどだ。たぶん陽性となった野球選手も、すぐ復帰してくるのだろうと推察している。

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