ウイルスが増えるまで、検査は控えた方が良い。
濃厚接触者、主に家族の方々、同居の方々の検査が8月以降急に増加した。
家族内での感染は必発だ。
以前もブログに掲載したが、コロナの特徴は潜伏期間が長いことだ。つまり、感染者がウイルスを拡散してもほかの人にウイルスが侵入してから発症するまで数日かかる。つまり、誰か一人感染が解かった時、濃厚接触者として隔離が始まった時にPCR検査をしても全員が陽性になる可能性は低い。症状がある、つまり感染が成立して発症している状態であれば、容易に検査で検出できる。しかし、潜伏期間:ウイルスが体に侵入してから増えるまでの間はPCR検査でも陰性になる。
これは家族内感染を見ていると明らかです。全員が同じウイルス量ではない。陰性の方、ウイルス量が少ない方、判定できないがウイルスがいるかもしれない方。あい小児科では、同じ綿棒、同じウイルス輸送液を使って可能な限り同じ条件でPCR検査を実施している。しかし、同居家族、兄弟姉妹でも結果が違う。それは、潜伏期間が長いことで説明がつく。一緒に全員がいっぺにカゼ症状がでないことが、新型コロナウイルス感染症の特徴です。しかし、症状が長く続くので最終的には全員発症して大変な状況に陥ることもあります。家庭内感染は、小さなクラスターです。一人感染した場合、素早く隔離、感染対策を強化しなければ数日後にクラスターとなっている。
家庭内感染対策でも最も有効なのは予防接種。子育てママ・パパへの予防接種を推進する理由は、これに尽きる。重症化防止も大事だが、家庭内クラスター対策は若い世代、子育てママ・パパへの予防接種です。
少し本題からズレたが、潜伏期間を考慮して2週間ぐらいの経過観察期間を考慮すると濃厚接触者は隔離期間の最後の方にPCR検査をするのが妥当です。早くやったところで、良いことは一つもない。症状が出た場合のみ速やかにPCR検査を受けるべきです。家族いっぺんに検査して、一人陰性が出たとしても後でもう一度検査に来なければならなくなる。正直なところメリットが無いのでやめた方がいい。インフルエンザのように、早期治療ができるのであれば全く別。今は残念ながら、無症状、あるいは軽症の方にウイルスを減らせる薬や、予防投与できる薬が無いのだ。それこそワクチンより鼻咽頭スワブは痛いし、鼻出血することも多い。特に小さい子どもは、不要な検査は避けるべきだ。