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PCRセンターの再開を早めることにした。

[2022.08.13]

PCR検査の必要性が少なくなったことは前回のブログで書いた。しかし、PCRのニーズが無くなったわけではない。

発熱外来を数日抗原検査のみでやってみたが、困ることがいくつかあった。

コロナ抗原検査陽性の御家族様が検査希望された場合、発症していない濃厚接触者、あるいは感染しているものの発症前、あるは発症初期である可能性がある。無論、発熱していれば問題ないがそうでない場合がかなりあった。兄弟、姉妹、祖父母も同様だ。特に、祖父母はコロナワクチン3回、4回接種して免疫がブーストされており、ウイルス暴露していても増殖が遅く、抗原検査で陽性となるまでに時間がかかってしまう。家族の中で高齢者が抗原検査で陰性となることもあり得る。孫やひ孫を抱っこして連れてくる高齢者は明らかな濃厚接触者で、隔離対象であるが抗原検査陰性というだけでラゲブリオ投与をためらってしまう可能性がある。PCR検査なら検出できる可能性が高い。

早めに検査するとなると検査感度が高い、少量のウイルスでも検出できるPCR検査が有用だ。何より、高齢である祖父母は、疾患リスクや年齢からラゲブリオの投与対象である。発見は1日でも早い方が効果的だ。

簡単に言うと、孫、ひ孫がコロナだった場合の高齢者を検査する場合は、抗原検査より圧倒的にPCR検査が有利で、治療薬であるラゲブリオ投与機会を失うリスクを考えればPCR検査は必要だ。

小児科では、抗原検査だけで良いかもしれないが、家族の診察を同時に行う場合、PCR検査もかなり重要なのであることが解った。PCRセンターのメンテナンスを少し前倒しに今日、明日で行い火曜日16日からはPCR検査が再開できるように調整することとした。

コロナが始まった頃、PCR検査がどうしてもやりたかった時に気持ちを思い出した。医療的ケア児や老人ホームに訪問するためには、コロナかどうか白黒はっきりさせる必要があった。ラゲブリオ投与に関しても、やはり白黒ハッキリさせる必要があり、ラゲブリオなどのように投与時期が明確に定められている治療にとっては、経過観察期間が命取りとなる。PCR検査もあった方が良いに決まっている。

感染が拡大し、1日に40人も50人も陽性者を診断しているとあまりに大変で、PCRを減らそうという発想になってしまった。でも、困ったときは、PCRは頼りになる。

少し初心に戻った気分だ。

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