メニュー

外来の陽性者数は、ピークに達した。

[2022.11.21]

今、発熱外来の陽性者数が激増している。特に陽性化率が高い。コロナ蔓延期と同じ感じ。

今週は、新たな発見があった。

微熱程度しか出ないコロナと、39度以上でるコロナの2種類がありそうだ。

極端に熱が高い場合、インフルエンザも疑ってコロナ、インフル同時抗原検査キットを使用しているが、インフルは一例も出ていない。即ち、39度以上40度越えのコロナ陽性者がかなり混じっていることに気が付いた。先週までは、軽症例が中心だったが今週は高熱と病名につけるほどの発熱患者が多く見られた。もちろん、ワクチン接種履歴が発熱、重症化には大きく影響する。4回目、5回目接種した高齢者コロナ陽性患者は、平熱で鼻水が止まらないという理由で来院したこともある。念のためコロナ検査を行ったら陽性となりこちらが驚いた。もれなく奥様も陽性であった。高齢御夫婦で、発熱のない高齢者コロナ家庭内クラスターが起こっていることが解った。正直、臨床症状では全くわからない。大事なことを上げてみる。

1,接触歴(感染力が強いため、感染者との接触が疑われたら検査を勧める)

2,ワクチン接種履歴(回数、最終接種日。軽症化すると臨床判断が難しい)

3,上咽頭炎の存在(鼻咽頭スワブ検査の綿棒の先が出血したり、変色が強いなど。コロナで最も特徴的なのは上咽頭炎だと筆者は考えている。鼻咽頭スワブにこだわって検査してきた経験から、鼻咽頭スワブ検査のスワブ(綿棒)の先を観察することも重要だ。

ただし、軽症のコロナと高熱のコロナは株(系統)が違うかどうかわからない。私には調べる方法も無い。あくまで、毎日40人平均で発熱外来を実施してきた私の印象だ。今のコロナは軽症ばかりとも言えないのかもしれないと思う1週間であった。また、妊婦さんや、新生児のママのコロナ感染も多く見られた。生後数カ月でコロナになっても、なかなか投薬加療が難しいのは現状だろうと思う。

ただし、最も危惧しているのはインフルエンザ予防接種の希望者が異様に少ないことだ。このまま予防接種しない乳幼児が多い状態で冬を迎えるのは非常に怖い。運よく今年もインフルエンザが流行らなければよいが、水際対策を緩和すればインフルエンザが入ってくるのは容易に予想できる。小児のインフルワクチン助成が無い草加市、八潮市は実費でワクチン接種をしなければならないため、接種率が非常に低い。今シーズン、小児のインフルエンザ感染爆発が起こったら、行政の怠慢だと言ってほしい。東京の多くの地域は助成があるのに、草加と八潮は子どものインフルエンザ予防接種が全額自己負担だ。とんでもない話だといつも思っている。発熱してから病院に行けばお金がかからないという親の会話を運動会や学校で聞くたびに落胆してきた。インフルエンザ脳症の子どものリハビリや保育の支援をしている私としては、インフルエンザワクチンを接種しない親の気持ちは全く理解できない。インフルエンザ脳症になり、後遺症が残ったら一生後悔することになることは理解すべきだ。インフルは予防接種が確立しているので、自らの意思で予防接種しないなんて考えられないが現実接種が進んでいない。困ったものだ。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME