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ワクチンで予防できたようだ

[2021.10.29]

新型コロナウイルス感染症の感染爆発は、収束した。終わったと言いましょう。

ワクチンを接種した人にとって、もはやコロナワクチンは脅威ではない。これから第6波が来ることもあろうが、予防接種済みの多くの方々にとって脅威ではない。一方、予防接種を受けていない人にとっては、2年前と同じリスクが伴う。2年前と違うのは、治療薬の選択肢が多くなった。抗体カクテル療法も、申請すれば外来でも可能だ。(ただし、申請するための条件が厳しい)

リスクの高い方々は、今後も最大限の防御が必要だ。感染対策も、一般生活にずいぶんなじんだ。アルコールスプレーや体温計は、当たり前のようにどこにでもある。しかし、一つ言わなければならないことがある。

間違ってはいけないことがあります。まだ、マスクは取れないということ。

ワクチンは、体の中の話であり、マスクは体の外から入ってくるウイルスを防御するために使っている。予防接種をしたところで、コロナウイルスをまともに吸い込めば感染する。

例えば赤ちゃんにBCGという結核の予防接種をします。赤ちゃん全員にやりますから、全員免疫を一度獲得します。だから、世界の中では結核が多い日本でも、それほど多く感染することはありません。しかし、免疫が弱ってくると感染したり、発症したりします。栄養状態の悪い方や、抗がん剤の影響、AIDSなどの場合、注意しなければなりません。国民のほとんどが新型コロナウイルスワクチン予防接種を行い、必要なブースター接種を行えば、コロナウイルス感染症の脅威に打ち勝つことができるでしょう。外来には、結核にかかったことのある方も大勢いますし、今も結核病院に入院されている方がいる。コロナもそうなるのでしょう。ある程度感染を制御するために予防接種と検査は今後も続くだろう。

新型コロナウイルス感染症に感染したとしても、予防接種を受けていれば重症化することは避けられる可能性が高い。10月に入り感染者数も激減し、保健所に届け出れば速やかに隔離、自宅療養、ホテル療養、入院ができる。最後に診察した御家族は、祖母は速やかに入院、母はホテル療養、御兄弟まで感染は及ばなかった。働く世代と高齢者予防接種が進み、徐々に子ども以外はほぼ予防接種が終わっている。後は、住民票の無い人達や、小さい子どもたち。子どもたちはそもそも重症化しない傾向があり、リスクを冒して予防接種するかどうかは主治医の判断で良いだろうと考えている。新型コロナウイルスもその他の指定感染症のように数が少なくなればいずれ脅威としての基準が下がることが予想される。それにはもう少し時間がかかるだろうと予測している。インフルエンザ予防接種は、自費だと当院3500円。コロナワクチンも第二種指定でなくなると、ワクチンが有料となる可能性が高い。有料となれば、接種率が下がる。肺炎球菌などでも同じこと。市町村で、予防接種の自己負担額が変わる。コロナワクチンが無料なのは、今だけだろう。

まだ、世界中にはコロナ感染症が蔓延している国があるので油断はならない。つまり、予防接種をしたとしても、感染対策は必須である。私たち医療者は、常日頃からマスクを着用している。一般市民もある程度、感染対策が必要だ。ただ、必要以上に恐れる必要はもうないのではないか。

外来診療をしていると、特定健康診断のコメントに血糖やコレステロールなどの上昇傾向を指摘することが増えた。必要以上の自粛は不要だ。日常を取り戻すためにそろそろ外出を増やした方が良い。メタボリックシンドロームや、フレイルが顕著な高齢者は、特に本格的な冬の到来の前にできるだけ外に出て、運動してほしい。冬場は、体の動きが多少悪くなる。脂肪もたまる。寒くなると、水分摂取が減り、脱水、浮腫、血栓、虚血性心疾患のリスクが上がり、転倒のリスクも増える。

11月は、リハビリの季節にしてほしい。ただ、マスクや手洗いなどの基本的な感染対策は今後も続けるべきだ。

 

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