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コロナが去り、花粉症がやってきた

[2022.03.14]

気温が上がり、桜の開花する寸前となった。

先週の発熱外来における新型コロナPCR検査の陽性率は7割程度と高水準が続いている。検査を希望されるほとんどの方は、コロナだろうと思って検査を受けられている印象だ。あまり、驚きはないが意外だと感じる方もまだまだいる。中高年で、接触歴のない発熱の方で陽性者がでることも稀ではない。いわゆる市中感染事例もまだある。(接触歴は自己申告のため科学的な根拠は乏しい。)

3月の陽性者を振り返ってみると、ほとんどが10歳未満を経由していた。つまり、ワクチン未接種世代だ。埼玉県も5歳以上の子どもたちへのワクチン接種が始まった。一つの解決策として期待されるが、保育園などではあまり期待できない。全員接種しても園児の半分程度しか接種できないからだ。また、小学校、保育園の先生方への感染も目に付いた。先生方は、自分の生徒の情報が入るのでほとんど自分で診断できていた。ある程度分かっているルートからしか感染者が出なければいずれ収束する。時間の問題だと思っていたが、埼玉県は、高止まりだ。一日の新規陽性者数の平均は概ね4000人。東京の半分。人口比からは東京より多いという計算になる。理由は、不明だがこれまでは検査されていない、調査できていない陽性者が多くいたが数字に出てこなかったのではないかと推察している。全体の感染者が減り、疑い患者様がもれなく検査にたどり着いたことで陽性率が高い状況が続いているのだろう。ピーク時は、わかっていても検査を受けなかった人が相当数いたと考えられる。総合的に考えて、感染者は減っており地域でのリスクは低くなっているだろうと推察している。

減ったからといってもまだまだ多い。そして、5歳未満のワクチン未接種世代を扱うエッセンシャルワーカーへの対応が急務だ。保育園への感染対策は今もそうだが最も大事だ。今後もウイルスが根絶されるまでクラスターが続くと予想している。保育園は地域密着なのだから、埼玉県の無料PCR検査を活用するなどして徹底的に検査すべきだ。何もしないと、大きなクラスターが発生する。

1月から2月にかけて近隣の中規模病院で大規模クラスターがあり保健所が介入していたそうだ。新型コロナワクチンを推奨していない病院だったようだ。ワクチンを接種していない人にとって、コロナは2年前と同じだ。新型コロナワクチン接種のデメリットを批判して接種を控えてクラスターを作って医療を逼迫させることが正しい訳がない。保健所もクラスターになる前に医療機関でのワクチン接種率など調べればわかるのだから先に指導すれば良かったのだ。ワクチン接種を強制できないなら、保健医療機関の指定条件に加えればよい。接種しない医療機関など保健医療機関として指定しなければ良いだけだ。禁煙と同じようにやれるはずだ。

1年以上前、県外のクラスター病院の職員検診を担当したことがある。看護師や事務を含め多くのスタッフが感染し病院機能への影響の大きさを実感していたのでだいたいのことは想像できる。県外から検体を届けてくれたスタッフも陽性者だったと後で知ることになった。

保育園も同じだ。ウイルスが子どもに罹りやすい株の場合、あっという間に先生方まで含むクラスターになる。オミクロン株が少なくなるまで徹底して検査すべきだろう。

通常の外来レベルでは、花粉症が急増している。そろそろコロナ対応は終わりにしたいが、小児科領域でのPCRニーズは一定数必要になるだろうと覚悟している。

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