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【PCRは、隔離するための検査】

[2020.08.06]

PCR検査は、隔離するための検査です。

ウイルスの遺伝子が検出された場合、感染している可能性が高くその人が他人に感染させる可能性が高いから隔離する必要がある。特にPCRセンターで検査を受ける方の多くは無症状、あるいは軽症。治療が必要であれば指定された医療機関で治療を受けることが優先されます。発熱外来や入院患者様などの有症者のPCR検査は、鑑別診断(症状の原因は何か調べる)や治療方針(重症度によりレムデシベル、人工呼吸器、エクモなど)を決める参考になります。若干意味合いが違います。

 

つまり無症状や軽症の方でPCR検査を受ける場合、陰性:検出せず という結果は、今すぐ隔離が必要でないという意味でしかありません。次の日発熱して、検査をして陽性ということも勿論あります。そもそも疑わしきはもう一度検査、一回陰性となったから大丈夫、感染していないということではありません。感染していないのではなく、PCR検査で検出できなかったのです。感染していても、ウイルス量が少ない場合検出できないことや、採取する鼻腔、咽頭、唾液の中にウイルスが少なければ検出できない可能性もあります。感染して間もない時期で、ウイルス量が少なければ検出できないことも考えられ、数日後ウイルスの増加に伴い急激に症状がでることも想定しなければなりません。接触、感染後はPCR陰性を確認すればよいわけではなく必要なのは、経過観察と感染拡大防止対策です。

PCRの結果に右往左往してしまう気持ちも良くわかります。検査はあくまで自分の鼻腔咽頭のウイルス量を測った結果だと自分のことを少し客観的に観察していただけると幸いです。

 

一方、抗体検査は別の意味があります。

IgG抗体陽性。

過去に新型コロナウイルスに感染して免疫応答が行われ、抗体を持っている状態。つまり、新型コロナウイルスに暴露しても、抗原抗体反応が速やかに行われる状態と判断できます。

今盛んに開発されているワクチンは、自分の体の中に抗体を作らせるための取り組みです。抗体を持っているからと言って感染しないとは言い切れないですが、予防接種の目的は抗体を作ることです。医療関係者は定期的にB型肝炎の抗体を調べます。感染のリスクが高いからです。つまり、抗体を持っていることを確認することが医療安全対策の一つになります。新型コロナウイルスのIgG陽性で症状が無くなっていれば、感染症が成立しない、しにくい状況であり、体の中に防御機構が働いているだろうと推定できます。私も早く抗体陽性になりたいと2月頃から思っています。残念ながらまだ、抗体ができていません。無症候、軽症で抗体陽性となることが理想です。

新型コロナウイルス対策として無症状の人が検査するのであれば、抗体検査も有意義だと考えております。ただ、保険診療では認められておりません。また、抗体検査キットの検出率も8割程度ですので2割の方は検出できません。定量的検査は専用の計測器が必要となり汎用性はありません。

感染拡大期となり、PCR検査の重要性が増しています。抗体検査は一時中断させていただいております。

PCR検査が必要な方は、電話で御相談ください。現在のところ、土曜日は比較的余裕があります。

 

 

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