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【春の嵐と静けさ】

[2021.04.13]

令和3年4月13日 荒れ模様の天気だったが、発熱外来は空いていた。

大阪はとうとう新型コロナウイルス新規感染者数が1000を超えたようです。ウイルスですから、1人感染すればあっという間に広がる。変異株がほとんどだという報告もあり、草加でも油断は禁物だ。

正直言って今年の年始の発熱外来は、PCR検査をすれば陽性者が出るという感じで毎日陽性者が出ていた。その緊張感は、今のところ全くない。三月の前半は、おやっと思うぐらいの陽性者が出たことも有ったがその後は陽性率も落ち着いた。4月に至っては、そもそも発熱外来受診者が減っていて緊張感は全くない。発熱の方も、陽性ではないケースが多い。一方、会社、職場がきっかけとなっている発熱の方、あるいは無症状で自費検査を受けられる方々の中には陽性者が出ます。つまり、1人陽性者がでれば周り拡散するのは間違いない。家庭でも同様なのでしょう。

外来で受診待ち、検査待ち、会計待ちのために院内で待機していただく時間は、患者様側もスタッフ側も見えないウイルスの存在を意識せざるを得ず、非常に緊張する。ドライブスルー検査や、検査後は車内待機ができる当院のPCRセンターは、受診での二次感染を可能な限り減らすための対策を実施してきた。スタッフの感染も、未だにない。毎月1日、16日前後に全スタッフPCR検査を実施している。今週後半また検査を予定しています。

今年に入り入職したスタッフも、徐々に自分も検査されることにも慣れてきただろうと推察している。しかし、慣れによる省略は命取りになるかもしれない。昨年のこの時期は、輸入した抗体検査を行うことぐらいしか手段が無かった。今はPCR検査をやれば2時間後には結果が出る。この一年大きく変わった。私も10年ぶりぐらいに分子生物学的手法を実践することになった。検査室、検査機器まで自分で購入してPCRをすることになるとは、正直夢にも思わなかった。大学院では、東大、阪大、長崎大学の遺伝子研究所にほぼ住み込み毎日のように遺伝子の実験を7年間やっていた。研究から離れて10年以上経過した。見えない遺伝子(今はRNA)を扱うPCR検査は、見えない緊張感がある。取り扱う量は、1mlの1000分の1単位です。研究時代は、不安と神経症のような状態だった。3000人以上の患者様の鼻から粘膜を取り、新型コロナウイルスのRNA断片を増幅して診断を確定した数は150人程になった。研究職時代に世界で一番を目指したスキルは、正確な検査に役立っていると信じている。昨年10月から始めて、大きなトラブルも今のところない。年末に消耗品が足りなくなった時ぐらいです。

町の小児科として再確認したのは、これだけインフルエンザの流行が抑えられたのに突発性発疹は、少ないながらもコンスタントに確認できた。発熱外来のおかげでかかりつけではないお子さまも多く受診された。単独で乳幼児だけ発熱した場合は、突発性発疹をまず考えたほうが良いでしょう。

大阪府知事が連日テレビで緊張感のあるコメントを出しているが、なんだか私には今のところ実感が無い。無論、感染は拡大しない方が良いのでこのまま続いてほしい。

当院PCRセンターは、不思議な静けさがある今日この頃です。

 

 

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