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【感染者の復職について】

[2020.09.20]

https://news.yahoo.co.jp/articles/42c325ccb957851196ec81bb4de733e52cf6264b

ソフトバンクホークスの中でもプロ野球選手として模範的なベテラン選手が新型コロナウイルスに感染したことは当時大きな話題となった。見えない新型コロナウイルス感染症を完全に抑え込むのは難しい。

では、新型コロナウイルス感染症のPCR陽性が出た場合、勿論治療優先されます。症状が軽い方は、ホテル療養か自宅隔離、療養を14日間程度隔離することを保健所や医師から指示される。その後の指示は、無い。

あい小児科PCRセンターに、隔離終了直後の陽性患者様が早期の復職目的にPCR再検査を受けたが見事に全例PCR陽性であった。隔離が必要なことと、仕事をして良いことの基準が違うのは当たり前だが定義はあいまいだ。復職の基準は、事業所が判断するしかない。産業医の役割だと理解している。私たちは、検査をして鼻咽頭の粘膜上にコロナウイルスの核酸が有るのか、無いのかについて検査して判定する。無論、微妙な結果もあるが科学的に、再現性をもって比較したうえで検出、検出せずの判断を行う。PCR検査は、毎回陰性コントロール、陽性コントロールの検体を同時に測定することで検査が正しく行われ評価に値するかどうか判断する。コントロールが正しくない場合再検査することになる。検査は科学的なデータでしかない。

引用のプロ野球選手は、1ヶ月以上自宅待機(つまり隔離)している。現役のプロ野球選手が、シーズン中にもかかわらず4週間出勤することができなかった。アメリカ大リーグの日本人選手やプロテニス選手も感染し、一定期間休業して復職しているものの大事な試合(業務)に出られなかった。それは収入源につながると推定される。(個々の契約まではわからない)

これが医療や介護などのように人と接する仕事でればどうだろうか?学校の先生や保育士、役所の窓口担当だとどなるのだろうか?公務員なら給与にはそれほど影響がないだろうが、それ以外の方は、減給、有休消化するだろう。

 

新型コロナウイルス感染症は、無症候病原体保持者も2類感染症に分類される。

官報新型コロナ指定

診断されれば、保健所や感染症指定医療機関が診療を担当する。結果として、感染症指定ではない一般の医療機関や診療所は診療の経験を積むことができない。

一般臨床医としては 

①発症後14日間以上経過している

②発熱、咳、痰などの症状が無い

③IgG抗体が陽性、IgM抗体が陰性。

以上の3点を復職の目安とするのが良いのではないかと考えている。③を省略すれば、14日間経過して臨床的に咳も出ていなければ管理下で出勤は可能であろう。無論、肺炎を合併した後で咳が出ていたら復職は控えたほうが良い。感染対策をしている職場で咳をする行為は、誤解を招く可能性も高いだろうと想像する。

接触するリスクが高い仕事の場合、更に④PCR検査で陰性を検討する。現状復職時のPCR検査は自由診療なので保険診療を同時にはできない。抗体検査も、健康保険の適応はない。一般的に汎用するとなると、①と②を持って復職するができるだけ三密をさけるなど厳密な感染症対策を実施するのが現実的です。接触する仕事の場合3~4週の就業制限が妥当ではないかと考えている。4週自宅待機が義務化されてしまうと、医療機関や介護事業所は人材不足に拍車がかかり崩壊するかもしれない。かと言って、咳をしている医療・介護スタッフから医療やケアを受けたいとは思わないだろう。

コロナ渦で必要なのは、無理しない事業計画、人員配置なのかもしれない。

復職した選手の活躍を心から期待しています。

感染症に関わる法律も今後見直される可能性が有るので注目する必要があります。

 

 

 

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