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PCR検査の診療報酬が下がったので困る。オミクロン株を同定することもできるが、ボランティア(無償)ではできない。

[2022.01.05]

令和3年12月末日で、PCR検査の診療報酬が改定された。臨時に、突然の大幅減額(約5000円/回)。

臨床検査会社に委託する委託料は、通常診療報酬の7割から8割。つまり、血液検査やPCR検査などについては、ほとんど検査会社に支払っている。今回のPCR検査の突然の減額で、臨床検査会社も委託料を改定して減額した。概ね7割から8割の値段で比率は変わらない。検査会社に委託せずに自身で検査をしている医療機関は、試薬代、キット代が安くなるわけではない。全自動の検査キットは、臨床検査会社への委託料とほぼ同じ。つまり、検査キットが相対的に高くなる。最悪、赤字になる。

令和4年4月の診療報酬改定では、さらに半額程度になると通達が来た。この件に関して、臨床検査会社から値段の通知は来ていない。かなり厳しいのではないかと考えている。全自動PCR機械を使っている医療機関は、まる赤字になるから恐らく検査をやらないだろう。私も、やめることを念頭に置いている。4月以降は、未定だ。

そんなに診療報酬を減らしておいて、やれデルタ株なのか、オミクロン株なのか調べろと言ってもかなり難しい注文だと思う。1月7日に、オミクロン株に対応する試薬が販売される。

https://catalog.takara-bio.co.jp/product/basic_info.php?unitid=U100009497

一応購入するが、検査したところで報酬が無い。つまり、まる赤字なので続けたりすることはしない。まる赤字の検査を民間企業がやるなんてことはあり得ないし、継続できない。

やれやれ。

できるのに、お金が取れないとなると別料金で自由診療として希望者に追加検査するぐらいしか考えつかないなあ~。

使用しているタカラバイオのコロナPCR検出キットは、概ねメジャーな変異株に対応する試薬(プローブ)が出そろっている。やればできるが、設定も違うし、手間がさらにかかる。

当法人にメリットが無いならやらない。PCR検査はは、お金も時間もかかるので、対価が無ければできない。安い民間の検査機関しか生き残れないサバイバルが始まってしまった。そろそろ撤退時期を見極めないといけない。深追いは禁物だ。

 

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