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8月の子どもコロナ感染でウイルス量が少なかった理由。【第2報】

[2021.09.11]

 あい小児科では8月、15歳以下の83人を新型コロナウイルス感染症と診断した。急に増えた理由は、濃厚接触者として検査された方が多かった。すなわち、家庭内感染、家庭内クラスターを見ていたと考えている。

 さらに子どもを含む家庭内クラスターでは、母親と同時感染が特徴でした。即ち、子どもの集まる場所で子ども同士が感染したわけではなく、家庭内で両親から感染した、特に母親から感染したと言える。これはあくまで私たちのデータでの考察になります。夏休み期間ですから、学校の影響はありません。ないと断言します。9月からは、また違った現象が起こると予測しています。

 8月に陽性となった子どもの特徴として、ウイルス量が少ない、計測値であるCt値が高い事例が、成人より多い傾向があった。家庭内に陽性者がいる濃厚接触者として検査したお子さまが増えていた。つまり、軽症、あるいは無症状の子どもたちを多く検査している。勿論、保育園、幼稚園での濃厚接触者として検査した子どもも多かった。しかし、陽性者は家庭内が圧倒的に多かった。8月中はほぼ、家庭内感染、家庭内クラスターであった。家庭内クラスターの場合、濃厚接触者として発症前に検査を受けることが増加する。通常の発熱外来は、発熱が無い方は受診しない。地域での感染防止対策の一環として保健所から疑わしいので検査してくださいという指示が出て、このような現象が起きたと考えている。

 最近、子どもの陽性者は軽症、無症状が多いというデータがいくつかの病院から公表されている。全国的に、子どものコロナ感染症は重篤な肺炎に移行するケースが成人と比較すると少ない傾向であるようです。

 あい小児科では、ウイルス量が少ない、Ct値が高いお子さまの中で陽性と判定できず判定不能、再検査という形で再検査を数例実施した。再検査では、確実に陽性と判定できるレベルにCt値が下がった、つまりウイルス量が増えた。濃厚接触者で、Ct値が高い、ウイルス量が少ない方は検査上の問題である偽陽性、偽陰性ではなく、単に潜伏期間に検査をしただけで数日後には確実に陽性となることが分かってきた。ある一点で結論を出すのは慎重にすべきで、必要であれば数日後に再検査すべきです。潜伏期間に陰性を証明したところで何も良いことはありません。

 通常の保険診療では、無症状でPCR検査をすることはない。濃厚接触者として早めに検査することは、潜伏期間で検査をする機会を増やし、Ct値が高い、ウイルス量が少ないという結果が出たと考察している。無症状のPCR検査は、控える、慎重にする、検査を数日遅らせることが最も良い。事前にできる限り説明しているが、早く知りたいという希望には勝てない。

 陽性となった子どもたちを最後まで追跡するような診療は現状できていない。新しく発生する感染症を診断することに医療資源を集中しています。発熱外来は、可能な限り多くの患者様を受け入れられるように今後も最大限努力する所存です。同法人の八潮の診療所と連携して、カクテル療法の導入を検討している。諸問題を解決して、早めに導入できるように調整しております。12歳未満には適応が無いので、あい小児科ではなく、八潮のまるクリニックで実施することになるのではないかと考えています。

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