診察が受けられない怖さ。
世の中コロナで大騒ぎだが、ワクチン接種した人にとって命にかかわる問題となるのはごくわずか。諸外国並みの対応になることを望む。
6月にコロナ感染が落ち着き、暑い日が続いてマスクを外した。未就学児たちに日常が戻り、コロナ以外の感染症のキャッチボールが始まった。保育園や幼稚園は、こどもの間に感染した方が軽症で済む病気がたくさんある。生物学的に大事な時期でもある。予防接種する各種の感染症、予防接種がない感染症。小児期に経験した方がよい感染症もたくさんあるということを忘れてはならない。
世の中上げて過去最高の感染者数とメディアがあおっているおかげで、医療機関に人が殺到している。当院も例外ではない。一方、埼玉県はコロナの検査は自分でやりましょうというキャンペーンを始めた。陽性ならばオンライン診療で対応する制度だ。つまり、軽症者は医療機関を受診しない様に誘導している。ただし、新しい制度なので便利かどうかは評価できていない。
なぜこんなキャンペーンを始めたのか?理由は簡単だ。国民全員を同時に診察することはできない。医療は有限なのだ。発熱者や濃厚接触者が全員外来を受診したら診察できるわけがない。夏休みに入り、子どもたちは受診しやすい環境にある。
普段は病院にかからない人が病院に殺到すると、普段病院に通院している持病を持った方々の診療が難しくなる。喫緊の課題だ。医療ひっ迫という言葉が生まれたが、まさに医療ひっ迫している。
更に悪いことに、子どもたちはマスクを外して1カ月。子どもに多い感染症が増えてきたところだった。手足口病、RSウイルス、アデノウイルス、ヘルパンギーナ、その他の風邪。多くの感染症は、熱が出る。熱が出れば、熱性けいれんが起こる。熱性けいれんの既往がある子どもが熱を出すことも増える。けいれんが起こっても対応する医療機関も混雑している。
https://www.pref.saitama.lg.jp/b0714/surveillance/ryuukou.html#influ
今問題なのは、コロナだけではない。コロナのおかげで通常の診療が妨げられることだ。生まれたばかりの赤ちゃんは、1年間の間にたくさんの予防接種を受けなければならない。つまり、小児科通院が必要だ。あい小児科でも、多くの子どもたちの予防接種を行っている。しかし、その予定を延期することは困難だ。次に生まれてくる子どもたちの予防接種にも対応しなければならない。また、ワクチンによっては接種時期が厳格に定められているものもある。つまり、後回しにはできないワクチンがある。
今、多いのはコロナかも知れないが、手足口病やRSウイルスも増えてきている。昨日の臨時発熱外来では、1割がRSウイルスの簡易検査陽性だった。つまり、非コロナの発熱だ。
すべてのウイルス検査を健康保険で検査することはできない。診察した私が、RSを疑ったので検査を実施した。RSウイルスの検査した子どもは、全員RSウイルス陽性だった。検査をした理由は、診察上RSを疑ったからだ。発熱だけで診断するのは難しく、それぞれの病気の特徴を考慮して、必要に応じた検査を行うことになる。
大阪ではインフルエンザが夏に流行しているという噂を聞いた。東京や埼玉でもそのような情報が入れば、インフルエンザの検査も追加しなければならなくなる。正直なところ、インフルエンザ検査の準備(検査キット)ができないない。
子どもの発熱の中で、コロナの占める割合は大人や全体より低い。当センターでも4割以下にとどまっている。一般は5割を超えている状態が続いている。つまり、子どもの発熱はコロナ以外の方が多い。すべてのウイルスを検査できないので、現状コロナ、非コロナという形で対応するしかない。
コロナの検査キットは、薬局で購入したり、県から無料で入手できる。コロナ出なかった場合は、受診が必要となるだろう。ただ、小児科の予約を取るのが当面困難な状況が続くと予想される。
子どもが発熱した場合は、小児科受診した方が良い。私の印象では、小学生の発熱はほぼコロナ、未就学児のコロナは半分以下。夏休みの間は、この傾向が続くだろう。
このブログを書いた夜にネットで同じような記事を見つけた。草加の印象は、東京都港区とあまり変わりがないようだなあと思って少し安心した。あい小児科は3000回分ぐらいPCR検査ができる準備があります。外来受診して検査ができないということはないのでご安心ください。抗原検査キットは数の限りがありますが、2000回分ぐらいは在庫があります。ただ、外来受診できる数には限りがあります。発熱外来1日50人のところを、70人越えしているのが現状です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/420228a9b4bd6386af49eda8bebd49ae70b21976