東京都が警戒レベルを上げた。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6431127
福岡などの感染状況を見ると、いずれ関東も上がるとは思っていた。東京都が予想より早く警戒レベルを上げた。私は少し異論がある。
そもそも夏には2類相当の指定感染症扱いを5類相当まで落とすという話がでると予測していた。少なくともコロナが怖いと思っている国民は、もはやレアだろう。指定感染症であるために、保健所に登録され、家族まで隔離を強いられるのが恐怖なのだ。
新型コロナウイルスを怖いと思っているのは、ワクチン未接種者と持病を持つ人たちだけだろう。持病がある方は、コロナに限らず、ほかの病気でも命の危機に陥る。
私たち医療者は3回目接種後6ヶ月経過し、これから抗体価が下がることが予想される。もう、やばいかもしれない。しかし、4回目接種の対象ではない。つまり、今後はコロナに感染するものだと思って準備している。
仮に感染したとしても、オミクロン株はエクモでなければ救命できない状況になるほど危険な感染症ではもはやなくなっている。感染後の再診も、幸いなことにそれほど多くは無い。国家を上げて感染者数をモニタリングする必要があるのかと言われれば、臨床的にはそれほど脅威とは言えない。政治的な問題で、選挙前だから高齢者の票が欲しい政治家の決断だろうと推察する。実際問題、コロナで困った人より、ワクチンの副作用で再診する人の方が一般外来では多いのではないかと感じている。
オミクロン株も、BA.5まで変異したそうだが私たち臨床医レベルではデルタ株ではなさそうだぐらいな変化しか感じない。オミクロン株は感染力は高いものの、症状の多くはカゼであり、気管支炎、肺炎まで進行するのは稀というのが一般的な見解だろう。有名人やプロスポーツ選手などの感染報告などで、挿管した、呼吸器を使ったまでの報告は皆無だ。ましてや有名人の死亡報告は無く、仕事が無くなって亡くなったみたいな報道の方が多い。一般論であって、厚労省のモニタリングを見れば死者がいるのはわかるが、明らかに少なくなっている。オミクロン株は命に係わる病ではないと多くの国民が理解しているから、GoToキャンペーン再開、経済再開という話になっているのだろうと感じている。
発熱外来の担当医としては、指定感染症であれば受診が勧奨される効果があり受診数が伸びる。体制も強化できる。それが必要なのかどうかは、政治判断となる。私は政治家ではないので、決まった法律に従い、健康保険の中でPCR検査をする。正確に結果を出す。それだけに集中しているが、小池都知事に言いたいことが無い訳ではない。重症専用病床がほぼ全部空床、補助金支給だけやっている状況で、警戒レベルを上げる必要があるのかどうか疑問だ。