コロナ禍の医療崩壊について
医療崩壊、医療壊滅など聞きなれないフレーズを医師会長がしきりに発信している。医師会のメッセージが強ければ強いほど、民主党が政権を取ったあの時を思い出す。発端は茨城県だったなあ。
地域医療のPCR専門医として意見させていただけば、地域の病院や診療が医療崩壊の印象は無い。保健所の機能不全が本当の医療崩壊を導きます。診療所の来院者数は減っているそうです。発熱を診療拒否すれば、おそらく来院患者数は減る。診療所の経営が立ち行かなくなることも容易に予想できる。医師はウイルスが危険なことを理解しているから、発熱患者の診療を全部拒否して籠城している。それが診療所を守ることにつながるが、売り上げは下がる。発熱の受け入れをするかしないかで、今医療機関が揺れている。そういう目で、医師会の発言を見ると興味深い。小児科などは昨年、診療報酬請求が軒並み下がったことは報道されている。確かに診療所が閉鎖や休診に追い込まれることも、医療崩壊と言えば医療崩壊だ。と言っても、休業要請されている夜の飲食店に比べればまだまだ良い。発熱外来含めたコロナ対応が今医療機関に求められているが、そもそも拒否したいという気持ちが見え隠れする。
皆さんも昨年の春に保健所対応について思い出してください。あなたは軽症だからと言われて熱の無い味覚障害、嗅覚障害の方が放置されPCRは3週間待ちみたいな状況でしたよね。それが正に医療崩壊。診断すらつかない。軽症者が、拡散する。そもそも、感染者数すら把握できていない。PCR検査を軽視したつけが今まさに回ってきている気がする。
今、クラスターが発生しても休むしかない。保健所対応が遅れ、検査が遅れ、待機期間14日間があっという間に過ぎる。重症になったら入院という道を用意したが既にいっぱいです。どうするかと言えば、PCRを悪者にして検査を後回しし、診断を避け入院を避ける結果となる。結果的にある程度犠牲者が出るのは致し方ない。
大変なのは、病院にしろ、介護施設にしろ、今クラスターになっているグループです。まず、そこをケアしないと悲惨な結果が待っているだろう。そこが医療崩壊の現場となる。今、この時にクラスターになったら、ハッキリ言って正念場です。
春先に起こっていたことが、まさに保健所の機能不全と医療崩壊です。あい小児科も、私が感染疑いとなり1週間程外来休診しました。医師が感染、感染疑いで休職する→これが医療壊滅。医師がいなければ、医療は何もできない。
民間検査会社に検査依頼が殺到して検体提出後結果が翌日昼だったのが、最近は3~4日。もっと依頼が増えれば、6日ぐらいになる可能性が有る。つまり、診断できずに正確な感染者数が把握できない状況。だから、行政が発表する数字と地域医療の実践医の印象と少し乖離があるし、緊急事態の成果は相当後になる可能性が高い。12月のはじめのころより、PCRの結果が3~4日遅れていること、今後さらに遅れることが予想される。
田村大臣が、PCR検査はコスパが悪いと発言した。政府の判断だから、従うしかない。
コロナ対策の費用を、ワクチンに集中した政府の判断について結果が出るのは半年後行こうということになる。数年かかるかもしれない。その頃、現政権のメンバーは残っているのでしょうか?
コロナ禍で、日本人が不幸なのは診断の為のPCR検査が必要な時に受けられないことではないでしょうか?その時点で、ワクチン接種まで待ってくださいという政策が今進められている。
あい小児科は、埼玉県民の為にPCR検査の設備を用意して、毎日PCR検査をやっている。最近、他県の医療機関からの持ち込みが増えて驚いている。皆、大変なようだ。
あい小児科は、PCR検査で地域医療に貢献する。それだけ。