難病ケア
特定疾患、難病指定、小児慢性、重度心身障害
さまざまな理由で、在宅療養が難しい方々がいらっしゃると思います。
埼玉県立、国立など公的な医療機関は草加からはかなり遠いのが現状です。
ただでさえ遠出するのが大変なのに、指定を受けるため、有効な治療法もないのに定期的に通院しなければならない人たちが沢山いらっしゃると思います。
「ずーっとお家で暮らしたい」を支援するために在宅医療をやってゆくなかで、難病、重度心身障害の方々と多く知り合うことができました。身体障害の申請は制度上許可をいただけませんでした(既に三回申請していますが、専門医ではないという理由で、埼玉県から却下されました。)。難病指定医、小児慢性特定疾患の指定は受けられたので、対象となる方々に対する医療を提供することが可能です。有効な治療法がないにしろ、在宅ケア、難病ケアの中で、医師、看護師、リハビリスタッフができることはたくさんあります。介護保険から切り離して医療保険で、訪問看護や訪問リハビリを行なうことも可能になります。まるくり訪問看護ステーションからのリハビリは、約半分が医療保険のリハビリ、つまり難病の方々へのリハビリです。他のステーションとは、恐らくリハビリの内容や、質が違います。ニューロリハビリテーションをベースに、神経生理学に基づき、個々に計画を立てて医師、看護師と相談しながら慎重にリハビリを行なっています。病気の進行や、程度は問いません。どんなに動けない方でも、呼吸しなければなりません。呼吸のリハビリは一生続くのです。呼吸に関する筋肉が弱くなったとしても、無気肺や誤嚥性肺炎を起こさないような呼吸リハビリテーションを実施しています。半年ほどで看取りとなる進行性の難病の方の在宅ケアにおいては、最期まで肺炎を起こす事無く過ごせたという実績もあります。マスクを用いた人工呼吸を使用中の方の訪問リハビリにおいても、呼吸筋のコンディショニングを整えることで「息苦しさ」「疲労感」「あせりや不安」を軽減させることができます。決して病気自体が治るわけではありませんが、在宅での療養生活が少しでも楽になる、緩和できるようなケアを目指しています。
胃ろうのケア、褥瘡ケア、浮腫や足部のケアは主に看護師が担います。高度なリンパ浮腫の方々には、フットケアからリンパ療法までを連日の訪問看護で行ない、一定の効果が出始めてきました。足浴、スキンケア、リンパマッサージ、圧迫、運動を状態に合わせて実施しています。リンパ療法は、ケアが長期にわたります。
医師、看護師、リハビリによるチームによる協働でより良い在宅療養生活が送れるように支援しています。